VJ seminar 2015 |04| ファイル形式、コーデックについて

皆さんは、ムーアの法則という言葉を知っているでしょうか?
最早現代社会になくてはならない巨大カンパニーIntelの創設者のひとりであるGordon Moore博士が1965年に経験則として提唱した、「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則である。
簡単に言うと、マシンの処理速度は2.3年ごとに倍速になるという事です。
65年の時は18か月で2倍、70年代には24か月で2倍、2015年現在では、約30か月で2倍というように少しずつ鈍化はしているものの、GPUの高性能化やソフトの効率化などもあり、VJ的にはほぼ法則通り恩恵を受けています。

2010年の頃のVJセミナーの頃は
・H264はCPU負荷が高いので、Photo-Jpegでレンダリングした方が良い
・1080pはCPU負荷が高いので、960x540 30pぐらいが良い
などと言ってましたが、そんな時代は最早過去の話。

2015年の今となっては

素材?とりあえず1080pのH264で書き出しとけば?

ぐらいのゆるーい感覚で大丈夫です。
しかも、特にMacBookProでなくても、MacbookAirやSurfaceでも十分現場に対応できてしまうので、時代の変化には驚愕するばかりです。

ちなみに、そんな2015年現在でも大きな壁となっているのが、2kや4kでのアルファ付き素材でのマルチレイヤーです。
そんな現場どこにあるんだ????と思うかもしれませんが、意外と使うのが

・建物マッピング
・ダンスなどの舞台イベントでのマッピング
・博物館などの常設展示用アプリの素材

です。
ブームが過ぎ去ったとは言え、プロジェクションマッピングコンテンツの需要が消えた訳ではないので、やはり今でも定期的に新しい案件が発生しています。
そして、国内外の多くの案件を見たことにより、クライアントも目が肥えてきたので、より一層のインパクトを!もっと鮮明な映像を!!と要望が進化していった結果、ひたすら高解像度化が進んでいます。

そんな時に便利なのが、Resolume社の出しているDXVというコーデックです。

https://resolume.com/software/codec

DXVのメリットとしては
・Animationコーデックでの非圧縮書き出しよりは軽量。ソースによっては、PhotoJpegとどっこいどっこいか、ややサイズが大きい
・色空間がRGBあので、H264等のYUV系の色空間コーデックによって生じる色が薄くなる現象が発生しない
・アルファチャンネルを設定できる
・PhotoJpegよりも更にCPU負荷が少ない
など、映像送出の現場の為だけにあるような理想的なコーデックです。

唯一の不安点は、いつまでサポートが続くのか、という点です。
製造元のResolume社はVJ業界では大手ですが、やはり全業種からみると断然中小企業なので、一体いつまでサポートが続くのか若干不安が残ります。
windows10にQuicktime 7.7.8がインストールできない現象など、やはりアップル系の規格は時々とんでもないトラブルが起きるので、ほぼQuciktime純正コーデックとなっているPhotoJpegの方が、バクアップとしては安心感があります。
将来にわたって素材の使いまわしが無ければ特に気にするほどの事ではないですが、案外素材の再利用というのはあるので、チームや会社でやっている場合は、保存性や再利用性は要検討事項です。

時間が無い案件だと、とりあえずH264でぱぱっと作ってしまって、GrandVJなどのVJアプリ側でコントラスト上げで出力して強引に色を合わせている時が多々ですが、クオリティに拘る場合はぜひDXVコーデックも試してみて下さい。

ちなみに、VDMXユーザーの場合はHapコーデックという方法もあります。
が、HapはVDMX以外での取り回しがいまいちよくないので、将来の乗り換えや再利用を考えると、何だかんだでH264やPhotoJpegが便利な状況は当分変わらそうです。
http://vdmx.vidvox.net/blog/hap


むしろ、この世に時間と予算に余裕のある現場というものが存在するのだろうか。。。。。という根本的な疑問もありますが、きっと世界のどこかにはそんな案件もあるのだと信じてます。


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